【セサミの呼び声】ーThe Call of Sesameー

ロースクール生が、司法試験までの危機的状況から多少現実逃避をしつつ書く日記。 かなり長い間、文章を書く練習をしていないので文章力皆無です。 これを機に練習していきます。

刑法総論知識編

ちょうど今、短答試験対策として刑法総論の勉強が終わったところです。

実行行為性・違法性・共犯とかのメジャーな論点は、論文書いてるときによく触れるのでスラスラ解けるんですが、 とか執行猶予とか再犯とかのマイナー分野は全然さわってないので、思い出すのに必死でした。



大学受験時代に、世界史でも古代の南アメリカ史はあやふやみたいな感じです。

せっかくなので、忘れないようメモ。

刑の軽重

原則: 死刑→懲役→禁固→罰金→拘留→科料の順で重い。

例外その1: 無期の禁固>無期の懲役

例外その2: 有期の禁固の長期≧有期の懲役の長期×2のとき、禁固>懲役

刑を加重または減刑するときは、法律上の減刑・加重を行ったあとに酌量減刑をすることもできる(刑法67条)。

再犯の刑は、長期の2倍以下。

なお、再犯とされるには、①刑の執行が終わったか、または②執行の免除があった日から5年以内に罪を犯すことが必要である。

没収

没収の対象物には大きく分けて4種類ある。

刑法19条1項の1号から4号まで

組成物件・・・犯罪行為を組成した物。構成要件上不可欠の物件。
供用物件・・・犯罪行為の用に供した物。+供しようと準備した物。
生成物件・取得物件・報償物件・・・犯罪行為によって生じた物・得た物・報償として得た物
対価物件・・・3号物件の対価として得た物。そのため、犯罪供用物件の対価は没収できない。

重要なのは、没収すべき物件が同一性を有する限りは没収の対象になるということ。たとえば、賄賂として高価な生地を受け取った者が、この生地でワイシャツを作った場合、このワイシャツは生地との同一性が認められるから没収できる。

また、没収の対象となるものは「有体物」に限られ、性質上没収できないときは追徴しなければならない。

没収の対象物は、原則として犯人以外の者に属していてはならない。
なので、窃盗犯人が盗んだメガネを没収することはできない。

追徴の対象は上記3号と4号のみであるから、1号と2号については追徴できない(刑法19条の2)。
なので、車で人を轢いたとき、その車をそのまま持っておけば没収されてしまうが、車を売って換金してしまえば、追徴がない以上その換金したお金を取られることはない。

執行猶予

執行猶予には、初度の執行猶予(刑法25条1項)と再度の執行猶予(同2項)がある。

初度の執行猶予が認められる場合は、言い渡しを受けた刑が3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金の場合のみ。

①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者

②前に禁固以上の刑に処せされたことがあっても、その執行が終わった日またはその執行の免除を受けた日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者

再度の執行猶予(執行猶予中に罪を犯した者に与えられる再度の執行猶予)が認められる場合→以下の3要件をみたしたとき。

1年以下の懲役・禁固が言い渡されたとき(再度の場合、罰金だと執行猶予はつかない

②情状酌量事由がある場合

保護観察中に罪を犯した者については執行猶予は認められない

保護観察

保護観察を付するときは、執行猶予の全期間について付さなければならない(大阪高判S38.4.26)。

初度の執行猶予については任意的に保護観察を付することができるが、再度の執行猶予については必ず保護観察を付さなければならない