【セサミの呼び声】ーThe Call of Sesameー

ロースクール生が、司法試験までの危機的状況から多少現実逃避をしつつ書く日記。 かなり長い間、文章を書く練習をしていないので文章力皆無です。 これを機に練習していきます。

水不足と水ビジネス

今日の国際法ゼミで「水不足」「水資源」に関するおもしろい発表がありました。

世界的な水不足

いま、世界が深刻な水不足にあることはいうまでもないでしょう。

地球は「水の惑星」と呼ばれるものの、人間が利用できる水は地球にある水全体のわずか0.01%。それも、かなり偏在していて、多くの地域ではまともに水にアクセスできないのが現状です。

これは、水不足の危険度を表した図です。
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仮想水

「まあ、日本は水源が豊富にあるし大丈夫だよな」と僕も思ってたんですが、どうやらそうでもないみたいですね。実は、日本は水の輸入国だったりします。

なぜ、日本は水の輸入国なのか。それは、我が国に対する仮想水(バーチャルウォーター)投入量が莫大だからです。

仮想水(かそうすい、virtual water)とは、農産物・畜産物の生産に要した水の量を、農産物・畜産物の輸出入に伴って売買されていると捉えたものである(工業製品についても論じられるが、少量である)。ヴァーチャル・ウォーターともいう。
仮想水 - Wikipedia

「仮想水なんて"仮想"だろ"仮想"!?バーチャルなんだろ?そんなの水っていわねえよwwwwぐへへへw」と思うかもしれませんが、仮想水投入とは輸出国から輸入国にどれくらいの水資源が投入されたのかを表した実際の水の投入量であり、その意味で厳密には「仮想」ではなく「実体」といえます。

たとえば、日本は小麦や牛肉の多くを外国からの輸入に依存していますが、小麦を1kg作るために必要な水は2トン、牛肉なら1kg作るのに20.6トン必要になります。

日本が外国から牛肉などの食糧を輸入するということは、それ相応の水を外国が日本のために消費していることになります。吉野家にいって牛丼を一杯食べれば、2000Lの水を輸入したことになります。世界の水不足が深刻化すれば、水の値段は高騰し、日本の食糧輸入にも影響があると言わざるを得ないでしょう。

日本は「世界の水を食っている」わけです。

水ビジネス

さて、世界的な水不足というピンチは、ビジネスにとってはチャンスでもあります。日本は周りを海に囲まれた温暖湿潤な気候に恵まれ、山林には多くの水源があり、豊富な水資源があります。

水そのものを外国に売ることもできますし、飲料水確保のための高度な浄水技術や設備を外国に売ることもできます。発展途上国での上下水道の整備などの国際協力は、重要な外交カードにもなりうるでしょう。

もっとも、最近は外資系(とくに中国)が日本国内の水資源を抑えてるという話もよく聞き、ちょっとした騒動になっていますね。資源ナショナリズムじゃないですけど、基本的に国内の資源については外国企業の参入は原則禁止すべきでしょう。鉱物資源は鉱業法17条で外国企業による採掘が禁止されてますけど、水については未だ「資源」という感覚が薄いのでしょうか。

水を世界に輸出することでかなりの収益が見込めるならば、いっそのこと水資源を全部国有化して、一部の企業にのみ利用をみとめて、残りは全部財源にしてもいいと思うんですよね。

サウジアラビアみたいに国営石油会社で巨額の利益をあげて、国民も法人も税金はタダ、学校は無料ですみたいな。法人税がかからないから、サウジには世界中から人・企業・物が集まって、経済的な拠点にもなっている。

日本にはサウジみたいな石油資源はないけど、貴重な水資源があるわけだから国有化して国の財源にできないのかなって思います。もちろん、国の規模が違うからサウジみたいな無税国家にはならないだろうけど、減税ぐらいにはなるんじゃないですかね(笑)。

水は使用後は海に戻って、雨となってまた日本に戻ってくるわけだから半永久的に続くわけだし、石油資源みたいにいつか枯れてしまう「つかのまの天国」みたいにはならないと思います。安直すぎますかね(笑)。

中国だと水資源も国有化されてますよ(社会主義国家だからあたりまえか)。

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